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映画評:レミゼラブル-神の名の許に

11 9月 , 2015   Video


監督:トム・フーパー

あらすじ:パンを一個盗んだだけで、20年もin the 牢獄だったジャン・バルジャンが、自由になって偉くなったけれども、彼を追いかけるジャンベール警部に見つかってしまい、それでも逃げてのいたちごっこの合間に、色々な登場人物が現れては消えていき、なんか最後いい感じに終わる話。

どうでもいいが、監督、名前変えないかな。トビー・フーパーと間違えてしまいますですよ
最初、「えっ、あの監督が『英国王のスピーチ』を撮ったの?宗旨変えし過ぎでしょ!」と思った。

それはそうと、お話は、皆さんご存知のジャン・バルジャンが頑張るじゃんの「ああ、無情」。
子どもの頃、図書館で題名を見て「なんかやん、この題・・・」と思ったあれ。
フランス語にした途端に、スマートに聞こえるから、摩訶不思議。
※ちなみに、「レ・ミゼラブル」は、「風雲児たち」で有名な、みなもと太郎先生により漫画化されているので、時間がある方はご一読をすすめる

by カエレバ

 

さて感想を。

古典であり、舞台で上演され、知る者はいない作品なだけに、話は◎。
主人公には、度重なる試練と葛藤が用意され、敵役であるジャーベルは信念がある強敵。
脇役も一人一人個性豊か。
特に憎めない悪党として登場するテナルディエ夫妻は、こういう重厚感ある話には必要。
ヘレナ・ボナム・カーターはティム・バートンに鍛えられとるな。堂が入ったコスチュームプレイ!
全てのキャラクターが魅力的だ。

映像は好みが分かれるところ。
ケレンミある映像(人物を、右左どちらかに寄せてアップで撮るなど)は、いわゆる文芸大作に合わないような。
また、ジャン・バルジャンとジャベール警部が追いかけっこするシーンは、フィルム・ノワール調。
ついでに、みんな一度はやりたい、「めまい」の螺旋階段シーンがあったりして、シネ・フィルへのサインの出し方がやや若々しくて、初々しくて。
ただ、前半でジャン・バルジャンが生まれ変わりを宣言するシーンやラストの大合唱のシーンなどスペクタクル感溢れる映像は、さすが「英国王の~」の監督だなーと感心した。

LesMiserables02

そして、歌が素晴らしい。
これぞ、リリンが生み出した文化の極み。
映画館出て「あれ、みんな普通に話している?」って思ったもんね。

作者の主張は、「人生色々な苦難があるが、最後は神の国に帰れるから、生きているうちは、とにかく信念を持ち、頑張って生きようぜ」っていうことかなと思った。
主人公と敵役の二人は、神の名の許に信念を貫いた。
彼らは、コインの裏表である。
そして、信念が折れた者には、地獄と絶望しかない。あー恐ろしい。

「The 映画」という作品。
三時間の長さはややお尻が痛いが、飽きずに観ることが出来る。
でかい画面で、いいスピーカーで、映像と歌に酔って泣いて帰ったらいいんじゃないかな!
蛇足で言えば、出来れば独りで鑑賞を、悲喜交々をしっかり受け止めるために。

著者プロフィール

ヤマシヤマTwitter:@danjiki_radio
1978年生まれ。出身地は福岡県久留米市。シナリオを勉強したり国語の勉強をしたりされたりしている。VX-2000を所持。 現在は東京の北東気味在住。東京を三国志で表すならば、魏らへん。

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