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映画評 ジュラシック・ワールド‐「あの場」に再入場すること

11 9月 , 2015   Video


マイルストーンに立っていたということ

無声からトーキーへ。白黒からカラーへ。映画表現の大きな転換点に立ち会えた人は幸せだ。「その場」にいあわせた感動は永遠に心に刻まれるし、何より後世の者に自慢できる!(それを聞かされる者は不幸。うざいから)
中学時代に「ジュラシック・パーク」を観た。映画の内容云々よりも、スクリーンに映し出される恐竜に目を丸くした。
「恐竜が目の前ににいる!」

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「ジュラシック・パーク」以前以後の違い。それは、お客さんが「どうせCGでしょ?」と思うかどうかの差。
以後の時代、観客は派手な表現(大爆発、アクション、超科学的表現など)で驚かなくなった。恐竜のせいで、観客はマグロになってしまった……。
つまり、「ジュラシック・パーク」を映画館で観た人は、CGで驚かされ最初の人であり、CGで驚いた最後の人でもあるといえる。

あの感動は、もう2度と味わえない。少なくともあたくしはそう思っている。

 

テーマ・パークへようこそ!

なので、今回の「ジュラシック・ワールド」のも、特撮による感動を求めたりしない。
まあ、ドキドキさせてくれたらうれしいなー、くらいの気持ちだったし。
ちょっと感動したシーンもあった。というか音楽。
やっぱ、映画館であのテーマ曲が流れると、おー!と思ってしまう。
しかも、テーマパークの中にカメラがガーって移動しながらのBGMだから、第一作体験者からしたら、感動ひとしお。
思い入れが強い人は、お目目からクジラも驚く涙の潮が噴き上げますよ!

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話自体はまあまあ……けど……

ただ、物語の流れやドラマ部分で感動するところはなかったなぁ、という印象。
大まかにいうと、第一作の踏襲であり、シリーズの「うまみ」を拝借して作られた作品だ。
この映画の大きな問題は、「主人公はだれ?」ということ。(誰に感情移入したらいいの?)映画としては致命傷だ。

 

 

ただ。
もしかしたら、映画の主役は、特定の誰かではないのかもしれないとも思う。
それは、テーマパーク自体なのかもしれないなあー、と。
主人公を「われわれが観たいモノ。物語が進行するに連れて変化するモノと定義すると、そんなにずれていない。

まあ、いろいろ言いましたが、一番好きなのは、みんなが空飛ぶ恐竜から晶エリーばりにめちゃくちゃにされてしまうところですかね!

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著者プロフィール

ヤマシヤマTwitter:@danjiki_radio
1978年生まれ。出身地は福岡県久留米市。シナリオを勉強したり国語の勉強をしたりされたりしている。VX-2000を所持。 現在は東京の北東気味在住。東京を三国志で表すならば、魏らへん。

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